介護の夜勤ってどんな働き方?辛いときの対処方法や求人選びのポイントは?
2021.08.07掲載
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コンサルタントコラム

入居型の介護施設で必要となるのが「夜勤」です。仕事を探しているときに、体力的なキツさを考えて避けたい一方で、収入の面でメリットがあると考える方もおられます。

介護業界で働いた経験があるなら知っていたとしても、未経験の方にとって未知の世界ですので、辛い働き方なのではないかと心配になります。

実際に働くと勤務時間が長く、生活が不規則になることが懸念点になるでしょう。

しかし夜勤業務をこなせるようになると、キャリアや給料アップ、さらにプライベートの両立も図れるようになります。

この記事では、介護業界における夜勤のメリットとデメリット、さらに辛いと感じたときの対処法などをご紹介します。

        夜勤業務の特徴 

まずは夜勤業務の特徴を見ていきましょう。

夜の時間帯であれば、夕食のサポートがありますが、その後就寝サポートとなります。利用者が就寝すると、見守りやナースコール、排せつ介助などが主な業務です。

夜勤体制は2つあり、実務時間によっては仮眠も取れます。代表的な業務内容や特徴をご紹介します。

 見守りやナースコール対応が主な業務

介護職における夜勤では、日勤の職員から夜の時間帯の職員に引継ぎが行われます。夕食のサポートが終了していれば、入居者さんの情報などの引継ぎがあるでしょう。

夕食の後からは排せつ介助や就寝サポートなどを行います。就寝してからは見守りや夜間に入居者がトイレに行きたい場合の排せつ介助などが業務です。

他の業務がなければ休憩することもできますが、見守りや排せつなどのナースコールが鳴ったときの対応が必要です。

朝になると起床介助や朝食準備です。食事の他に、歯磨きや排せつ介助などまで行います。

 夜勤体制は2つある

夜勤が含まれている介護職では、主に2つの体制があり2交代制と3交代制です。2交代制を採用している施設が多いようですが、3交代制もあるので、どちらのタイプか知っておく必要はあるでしょう。

 2交代制


2交代制では、日勤と夜勤を交互に行います。夜勤は16時から18時の間からスタートすることが多く、翌9時や10時までの勤務です。

労働時間が定められているので、2交代制の場合には休日が増えます。まとまって働き、連休が欲しいという方におすすめの方法です。


2交代制の業務時間の例

  • 日勤:9時~18時
  • 夜勤:17時~翌10時

2交代では夜勤のシフトで夕食や就寝準備が含まれており、起床から朝食の準備があるなど、夜と朝は忙しくなります。

介護職の社員が2交代制で夜勤を行う場合には、1か月に4回から5回の夜勤を行うことが多いです。もちろんあくまで目安ですので、夜勤の数が多い職場もあります。

 3交代制

3交代の場合には、早番、遅番、夜勤と3つのシフトに分かれているので、2交代制と比較して夜勤のシフトの時間が短くなります。

辛い夜の時間帯のシフトが短くなるので、2交代制よりも体力に余裕を残しやすいでしょう。

3交代制の業務時間の例

  • 早番:6時から16時
  • 遅番:14時~22時
  • 夜勤:22時~翌6時

3交代制でも1か月に4回から5回の夜勤を行うことが多いですが、上限が定められているわけではないので、それ以上の夜勤が必要になるケースもあります。

実働時間によっては仮眠がある 

実働時間の多さによっては休息時間が定められているので、仮眠する時間がある職場もあります。

2交代と3交代によって休憩時間が異なりますが、1時間から2時間程度の休息時間が設定されています。しかし1人夜勤の場合には、仮眠が取れないケースもあるので、確実に仮眠できるという保証はないでしょう。

一方で、複数人で夜勤する施設であれば、どちらかが対応すれば良いので、休憩時間の間に仮眠できる可能性が高くなります。

介護施設の入居人数によって夜勤の人員配置が異なります。また施設によっては、休憩室がない場合もあるので、仮眠が取れる施設なのか、仮眠が取りやすい環境なのかも確認しておくとよいでしょう。

拘束時間が日勤よりも長い 

多くの施設が採用している2交代制の働き方は、拘束時間が長くなります。休憩が用意されているとはいえ、拘束時間が長いことから、身体の負担は大きくなります。

複数人数での夜勤で、気の合う仲間と仕事できるなら、それほど精神的な負担もないかもしれません。いずれにしても、拘束時間が長いことには変わりないので、どうしても身体に負担がかかりがちです。

3交代制の夜勤であれば、夜勤のシフトの拘束時間は短めのために、身体に負担がかかりにくいと感じるかもしれません。

        夜勤のメリット 

夜勤で働くメリットを見てみましょう。

手当があることやスキルアップが見込めることは、夜勤という働き方のメリットです。

 夜勤手当がある

夜勤をすると、給料に夜勤手当がプラスされます。1回の夜勤につきいくらという設定になっている施設が多く、約5,000円から8,000円というケースが多いようです。

給料にプラスされるので、夜勤の回数が増えれば増えるほど収入にプラスされます。派遣など社員ではない場合でも、夜勤の時間帯は時給がプラスされるので、やはり収入が増えます。

 スキルアップが見込める

収入が増えるだけでなく、スキルアップをして、キャリアアップも目指せるのは魅力です。もちろん資格取得するなど、別のスキルアップも必要かもしれません。しかし現場での経験を積むことは必要です。

急なトラブルにも対応できるようになり、効率よく仕事を進めるスキルが身につくようになるでしょう。

すべてのシフトに対応できる経験を持っているなら、将来のスキルアップにつなげることができるでしょう。

 少人数で仕事ができる

日勤の時間帯よりも夜勤の時間帯の方が、シフトに入る人数は少なくなります。大人数で介護業務を行うこともできますが、少人数で仕事をするのも好きという方もおられるでしょう。

夜勤は少ない人数で仕事をするので、マイペースに仕事をしたい方にもおすすめです。もちろん介護施設によっては、1人で夜勤する必要があるので、責任も大きくなります。

ある程度業務に慣れてから1人で夜勤することにはなりますが、1人体制でも許容できるなら働きやすい環境といえるでしょう。

       夜勤のデメリット

夜勤で働くデメリットもご紹介します。

夜の時間帯に働くことから、体調管理が難しくなることや1人夜勤の場合の責任、また日勤と異なるスケジュールになる点がデメリットです。

 体調管理が必要

睡眠時間や生活リズムが不規則になるので、体調管理が必要になります。もちろん通常の働き方でも体調管理が必要ですが、不規則な働き方になるほど、休養をしっかりとったり、仮眠の取り方を工夫しなければいけません。

夜勤の回数に合わせて、自分の体調を崩さないように調整する必要があるでしょう。

責任が重くなる 

1人夜勤になると、責任が重くなるというのも懸念点となるでしょう。いつでも救急対応が必要となるわけではなく、体調を崩したときに冷静に対応して、医師の到着を待つなどします。

日勤でも救急対応が求められるケースもありますが、日勤であれば複数人のスタッフがいることでしょう。いずれにしても、看護師や救急隊員の指示に沿って冷静な行動が必要です。

 日勤と異なるスケージュールになる

2交代や3交代の夜勤が入ると、日勤とは異なるスケジュールになるのもデメリット。どうしても夜勤が入るときには、通常とは異なるスケジュールになるので、慣れるまでは自分の予定を立てたり、身体のリズムを作りにくく感じるかもしれません。

シフトの調整によっても生活のリズムが一定でないこともあります。特に2交代であれば拘束時間が異なるので、夜勤があるシフトに慣れるまでは不規則な勤務と感じるでしょう。

       夜勤が辛いなら

夜勤が辛いと感じるなら、どのようにしていくとよいでしょうか?

以下のポイントを抑えておくと、夜勤の辛さを改善できるかもしれません。

  • 睡眠のとり方の工夫
  • カフェインの入った飲み物を飲む
  • 身体を冷やす
  • ストレッチする

 睡眠のとり方を工夫する

睡眠のとり方を工夫することでも、夜勤の辛さを軽減できます。勤務の前に通常取っている8時間の睡眠をとってしまうと、生活リズムが崩れてしまう原因になってしまいます。

午前中や夜勤の仮眠時間にこまめな睡眠を取るとよいでしょう。夜勤当日は、午前中に2時間から3時間の仮眠を取り、午後に休まないようにします。

ポイントは仮眠は数時間に抑えること、また夜勤の仮眠時に1時間でも眠ることです。夜勤明けは、午前中にしっかりと睡眠を取って、身体の疲れを取りましょう。

 カフェインの入った飲み物を飲む

眠気を感じるときの代表的な対策ですが、カフェインが入った飲み物を飲みます。コーヒーやエナジードリンクが良いでしょう。カフェインの取り過ぎも身体によくありませんが、どうしても眠いときに飲むようにしてみるのはおすすめです。

 身体を冷やす

身体を冷やすと眠気が覚めます。身体を温めると眠くなるので、冷たいもので身体を冷やしてみるとよいでしょう。

涼しい外に出れるのであれば、少し外の空気に触れてみましょう。

 ストレッチする

身体のストレッチをすると血行が良くなるので、目が覚めていきます。

勤務中に身体を動かすことが難しいなら、デスクで足首や肩を動かすのも効果的です。

        夜勤専従という働き方は?

介護士であれば夜勤を専門で行う「夜勤専従介護士」という働き方も可能です。スケジュールが一定にならない夜勤と思いがちですが、一定のシフトで働けるので、生活リズムは安定するでしょう。

夜勤専従であれば昼間は空いているので、ダブルワークも視野に入ります。また資格取得したいのであれば、昼間に勉強しながら夜に働くことも可能です。

資格取得者で夜勤も可能となると、給与も高く設定されていることも多く、頑張って稼ぎたいという方にもおすすめ。

夜勤介護士を募集している施設は多いので、安定して働きたい方にもぴったりです。

        夜勤がある介護職の求人選びのポイント

給与の高さを優先して働きたいなら、求人も多い夜勤のある施設はおすすめです。もちろんどの求人を選択しても良いわけではないので、求人選びのポイントをご紹介します。

 1.シフトは?

一口に夜勤といっても、2交代制と3交代制があります。大多数の施設では、2交代制を採用していますが、3交代の施設もあるでしょう。拘束時間が異なるため、どちらの方が自分に合っているのか考えておくとよいでしょう。

 2.夜勤の回数は?

夜勤の回数にも注意しておきたいものです。平均的な数として、月に4回から5回ですが、まれに6~8回のように多くの数をこなす必要がある場合もあります。求人の条件をよく確認して、何回夜勤があるのか見ておきましょう。

 3.夜勤の人員数は?

夜勤する人数もチェックしておきたいものです。夜勤スタッフが多いのであれば一人当たりの負担が少なくなることが多いです。

 4.夜勤手当は?

収入を優先して考えるなら、夜勤手当がいくらなのかも注意しておきましょう。目安となるのは5,000円からですが、1回当たり1万円ほどの手当がある施設もあるようです。

       まとめ

介護職で夜勤があると、どうしても働き方や拘束時間など気になる点が出てくるものです。収入がアップするなどのメリットがありますが、体調管理やスケジュールが不規則になるなどは考えておきたいものです。

対策をして夜勤するなら、自分に合った働き方を見つけることも可能です。枚方・大阪求人ナビは大阪府内の求人情報を多数掲載しています。特に夜勤が可能な方なら、希望する条件で求人が見つかる可能性が高いので、求人情報をチェックしてみることをおすすめします。